11曲中5曲がすでにシングルでリリースされていて、普通のアーティストなら「新鮮味ないなー」と敬遠するところですが、彼ならばそのマンネリ感をものともしない名作になっていると確信しています。
1stの「HELP EVER HURT NEVER」発売時は、まだ藤井風を知ったばかりでどの曲も聴きこんでおらず、その天才さ新鮮さで驚き、1年半経った今でも聴き飽きない名盤です。過去の多くの素晴らしいアーティストが、1stアルバムが最良のアルバムで、以降それを上回ることができないのに対し、彼ならばそんな懸念をものともしないで上回ってくることでしょう。
とはいえ、先行して発表されている曲順では、1曲目がメジャーなCMタイアップ曲「きらり」。これを1曲目に持ってくるのは普通に考えると「何だ知ってる曲じゃん」と思われリスキーでは?実際に1曲目が先行シングルのアルバムには名盤がない気がする。逆にそれ以降の楽曲や展開・構成に相当自信を持っているんだろう。
やはりそんな懸念を吹き飛ばす、和のようでいて洋楽のようにも聞こえる祭囃子のような曲展開。ロシア情勢で暗い世に「勝ちや負けとか一切ない」と平和のメッセージで諫める感性。あぁ、やっぱりこの人は違うなと確信しました。
皆、買って聞きましょう。初回盤特典のカバー集「LOVE ALL COVER ALL」も楽しみです。コード展開のお手本とされる名曲Just the Two of Us (Grover Washington Jr.)も入ってます。