田村正行著 日本経済新聞出版社 2018年
先日の投稿「パートの妻の130万の壁」について参考になったのが
こちらの著書です。
当初の目的以外に、非常に勉強させていただいたので
改めて書評を残したいと思います。
①公的年金はすばらしい
②公的年金のフル活用方法
③出口戦略のため、税金の知識をつけよう
それでは順番に説明します。
サラリーマンの方は、毎月給料天引きで相当な額を引かれている恨みと
かつ、将来本当に受け取れるのだろうか、という疑念から
公的年金をネガティブに捉えていると思います。
ただ、民間で終身受け取りでこれだけの利回りを生む年金はありません。
基礎年金+厚生年金で夫婦で月額約22万円。何とかなるでしょう。
(本書のモデル世帯:夫収入月額42.8万円で40年勤務・妻専業主婦の試算)
保険料控除に惑わされ、民間の年金保険なんて入っちゃダメですよ。
昭和45年世代は、制度が変わらなければ65歳から受給開始ですが、
(さらなる引き下げの可能性は大いに考えられますが)
受給を1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増加、
70歳まで繰り下げれば42%増え、これが一生続きます。
基礎年金・厚生年金別に繰り下げを選べますし、
夫婦であれば、年齢差なども考慮してそれぞれ繰り下げパターンを検討
することで、家庭単位での年金収入最適化(平準化)も図れます。
長生きするのは女性ですし、
公的年金は終身年金だけに亡くなったら終わりですので(遺族年金はありますが)
例えば妻だけ繰り下げておくとか、学んでおく価値は十分あると思います。
年金を多く受け取っても、
受け取る際の税金を知らないがために、結局手取りが減ったら本末転倒です。
企業型確定拠出年金(DC)の場合、
一時金・年金・両方の組み合わせが可能なので、
退職一時金としての非課税控除枠のメリットを最大に活用しつつ、
公的年金「空白の5年(60歳から64歳)」を年金で受け取り(公的年金控除活用)
なんてことも、検討する必要があります。
最後に
この本で思ったのが、年金は本当に奥が深くて、
税理士やファイナンシャル・プランナーでも仕組みを完璧に理解している人は
いるんだろうか?ということです。
逆に、これら年金も含めた早期退職コンサルや定年退職後コンサルに
お金を払う人は、これから沢山いるんじゃないでしょうか。
いずれにしても、モヤっとしていたテーマを
わかりやすく解説いただいた本著、オススメです。
それでは
まずは行動して、よりよい明日にしましょう!