大西康之著 東洋経済新報社
昭和45年前後に生まれた同世代にとって
「リクルート事件」って知ってるようで
よく覚えてませんよね?
高校生の頃、国会の証人喚問で
虚ろな目で座っている江副さんをTVで観た
うっすらした記憶くらい。
この書籍は、この事件のことだけでなく
・現在の検索情報広告のルーツ
・元リクルート社員が活躍している理由
・バブル前夜の異常な空気感
・財界と政界とのスタンス
を知ることのできる、歴史教科書とも言えます。
著名起業家たちがどんどん出てきますので
部分部分切り取っても面白いです。
安比高原のスキー場開発のエピソードなんて
当時、何も知らずにスキーブームに乗っていた昭和45年男には
感慨深いものがあります。
(車に「APPI」ステッカー貼る あるある笑)
何よりも驚いたのが、
彼が今の情報社会を予見していた上で、
当時、amazon創業者ジェフ・ベゾスと
軌跡が交わっていたという奇跡。
そして今も昔も変わらない「出るものを叩く」
日本のマスコミや、大衆心理。
あの「リクルート事件」がなかったら、
今の世界における日本のポジションが
全く違ったものになっていたかも。
読み応えたっぷり、今年一番の名著です。