書評【自学自習の極意 明治大学教授 齋藤孝著】ネットと読書のハイブリッド学習で間違いない。

シリーズ260万部のベストセラー「声に出して読みたい日本語」の著者であり、明治大学文学部教授、コメンテーターとして活躍されている齋藤先生の最新刊です。

教授、元々日本語学研究者でなかったんですね

当時研究していた身体論を用いた学習法として出版した著書がベストセラーとなり、日本語に関する仕事が殺到。それに応える形で日本語研究を極め、今の「日本語といえば齋藤先生」というポジションを築かれたそうです。1960年生まれ?大変お若く見えますよね。



それではまとめから

本著から学んだこと

1.ネット時代こそ読書経験が必要

2.オンライン学習の罠

3.マンガで学び、図解で深める

4.自学自習=先生や専門家不要ではない

5.教養を身につける「10のテーマ」

解説して行きます。

1.ネット時代こそ読書経験が必要

インターネットは「情報のご馳走」「平面」。見ていると賢くなった気がしますが、目的がなければ理解とは異なるただの消費行動。バラバラの知識の流し読みでは思考は動かない。情報過多の時代こそ読書経験、それも新作だけでなく古典・名作による自己学習とのハイブリッドで知識を「立体」にする。

2.オンライン学習の罠

コロナ禍で企業でもオンラインによる動画研修が激増しています。毎日受講している感覚です。最初の頃は新鮮で真面目に受講していましたが、最近「なんとなく受講」「別の仕事しながら受講」になってませんか?自分で学ぼうという意欲がない学習、アウトプットしない学習は単なる時間のムダ(まさにブルシットジョブ)。

3.マンガで学び、図解で深める

「読書が一番!」と言うと古い人間と思われそうですが、文書だけでなくマンガも立派な読書だと思います。私の小学生時代の一番の学びはマンガでした。親が喫茶店をやっていた関係で、ジャンプ・マガジン・サンデー等が発売日に読み放題という恵まれた環境。漢字も日本語も、笑いもスポーツも友情も考え方もマンガによるところが大きいです。電子書籍にもメリデメありますが、マンガに関しては文字数も少なく、iPadをフリックするだけでページをめくれる点がマンガ向きだと思います。

アウトプットの面でも、難しい書籍でもマンガ版なら理解しやすいのと同様に、図解で示すことで自分の理解・相手への説明がぐっとしやすいですよね。齋藤先生の授業では学んだことを「動画」や「コント」で表現する実習もあるそうです。生徒うらやましいぞ。

4.自学自習=先生や専門家不要ではない

「日本人は練習というものを勘違いしている」齋藤教授がある中国武術の達人の方と対談したときに「道場に来て練習することが日本人は『練習』と思っているが、道場に来るまでの1週間・1ヶ月に、先生に習ったことを自分で復習するのが練習。先生に会うのは、その練習の成果を見てもらうためだ。」と言われたそうです。自己流で進めると方向性がずれてしまうのから信頼に足る先生の存在が不可欠なのだと。

その先生が達人の知識が詰まった「本」なのですね。

5.教養を身につける「10のテーマ」

自学自習を始めることができても、どうしても分野が偏りますよね。

齋藤教授のおすすめする「10のテーマ」

1.世界史 現代を理解する

2.日本史 日本人のアイデンティティを知る

3.文学  人間を知る

4.政治経済 現代社会を知る

5.自然科学 生きる自信を得る

6.数学   物の見方を知る

7.宗教   多様な考え方・世界観を学ぶ

8.心理学  心の在り方を知る 

9.美術・芸術 この世の素晴らしさを知る

10.哲学思想 人生の意味を学ぶ

私で言えば本棚を見ると「ビジネス」「資産運用」「芸術」がほとんど。4,9に偏っています。浅く広くの自信はあったのですが、まだまだです。意識してそれ以外のテーマも学んでいこうと思います。

今回書いた以外にも、齋藤教授の本著には学び方、学ぶモチベーションにつながるヒントが沢山詰まっています。私自身も、このブログ含めて今やっていることは間違ってはいない!との勇気をいただきました。

学び方も先人に学んで、より良い明日にしましょう!

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